生まれ持った楽器とリズム

 その人それぞれに得意な手品、不得意な手品があると思います。

ある人の演じた手品を、同じように演じたのに、同じくらいウケなかったりします。

同じ手品でも、演じる人によって、お客さんに与える影響は全然違うものになります。

その事に関して、私はちょっとした例えの答えを持っています。

それは、“人間は楽器”だと思っています。

それに人それぞれ、生まれ持ったリズムがあると思います。

これが“いい!”“良くない”はありません。
いいところを、うまく伸ばせばいいのです。

バイオリンのような優雅なメロディーは、太鼓には出せません。
でも、太鼓のような迫力は、バイオリンには出せません。
例えば、カスタネット。
幼稚園で使う、単純な楽器のように思うかも知れませんが、使い方によってはフラメンコのような、独特のものになります。
他の楽器には、真似の出来ない響きを奏でます。

人は、生まれ持ったリズムがあると思います。

自分でリズムをコントロールし、新たなリズムを試してみてください。
そうする事により、上に書いたカスタネットのように、今まで表現できなかったものも表現できるようになります。

だから、これは言えます。
その人が、どのような楽器であろうと、練習しないとうまくはなりません。

自分がどの楽器かを見つけ、楽器に合った新たなリズムを覚える。
そうすることが、手品をうまく見せれる近道ではないでしょうか。